■ ネット上の ”ブランド力” ランキング「日本第2位」

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と、喜んでいる場合ではない。2014年12月には、米フューチャーブランド社は”国別ブランド力”の評価で、日本を”1位”と発表していた。「日本」から連想されるのは、「最先端技術」「医療・教育」「遺産・歴史・文化」などだった。翌2015年10月には、ブランドコンサルティング大手の米インターブランド社は、世界ブランドランキング上位100を発表。日本勢はトヨタなど6社がランクイン。トヨタは6位に浮上して08年以来の最高位として、”日本一”の評価を受けている。つまり、視点で評価はさまざまだ。今回の評価を発表したのは、スペインを拠点とする戦略コンサル会社ブルームコンサルティング社。同社が開発したソフトウェア「デジタル・デマンド」を使い、数十億といったネット検索数の分析から作成されたデータだという。

 

当のスペインは、といえば、25歳以下の若年層失業率53.8%で”失業率第4位”しかし、米誌「フォーブス」が発表した世界で最も資産価値の高いサッカークラブランキング2015で、「1位:レアル・マドリード(約3900億円)」「2位:バルセロナ(約3800億円)」の快挙を独走中だ。改めて考察してみる。「ブランド価値」とは、なんだろう。最大手コンサルティング会社の言葉を拝借するなら、”「オンリーワン」として「愛され続けるための仕組み」を構築すること”となる。まったく正論でアリ、退屈だ。ムーブメントを創出する手段の一として60年にわたり(国外ではそれ以上の期間)指標として愛されてきたメッセージだ。同スペインのブルームコンサルティング社に依頼すれば、同じメッセージをコーポレート・アイデンティティーとしている企業の数は大小に、日々の作り笑顔に匹敵する膨大な数を集計して貰えることだろう。

 

残念ながら、靴屋の帽子が売れ、旅行トランク屋のニットが1,300ドルで売れた、”オンリーワン”が”愛され続ける”時代は終わった。商品やサービスなど、良くて当たり前。ブランドネームを全想起させるだけなら、不良提供事案ひとつで十分。国際コングロマリットの最大手すら、一夜にして傾ける時代だ。他国、他社から高評価を受けるためにガンバるのはまるで、逆走ランナー。ブランドは今、創るものではなく、”生み出す”モノになった。”オープンコミュニティ”を形成し、”コアコミュニティー”を育成するその中から、「BRAND」は誕生する。アピールから“参加”へ、洗脳から”先導”へ。今、国に企業に必要なのはマーケットではなく、”意識社会”を振り向かせるに魅力的な「情報発信力」だ。 ”広告”? あぁソレ、嫌われてますよ。 [ エドリード・ジャパン編集部 / EDL-editorial dept.]