http://www.asahi.com/articles/ASHDW5G67HDWULZU00J.html
”モノ創り日本”の再生に期待が高まる。19年間の高度経済成長期などもはや、歴史上の遠い昔。欧米コンプレックスを捨てきれない日本はバブルを経ていつしか”個性”というブームの中で、少量生産(に見える)量産品に囲まれる生活を選んだ。”不景気”を口にするのはタクシー券をかざしたことのある中年ばかり。生まれながらの環境に順応した若者たちは”コスパ”を合い言葉に、ホンモノの良品と出逢う機会を逸している。チャイナリスクが露呈し、時代はアベノミクスへ。円安と相まってはじまったインバウンドによる爆買いは国内生産の復活を後押しするかに見えたが、彼らがお目当てとする商品の多くは、安定供給が保証されている既存の量産品ばかり。右へ左への人の波は、町工場に遠く響いている。
統計を取る価値もないというのだろうか、後継者がいないままロストテクノロジーとなることが判っている伝統技術のリスクに、正確なデータは無い。職人たちは後ろ盾のないまま、現代を未来に、繋げようとしている。”職人”と”テクノロジー”、この相反する印象の融合こそ、現代日本の両端お家芸のなせる技だろう。職人が指導者となり、プログラムに記憶させ、ロボットに出力させる試みが始まっている。やがてはA.I.(人工知能)が導入され、師匠からの”学び”も早く、素材や天候の機嫌にも対応できる優秀な弟子となるだろう。それこそ、現実離れした理想論だ、ととらえる方も少なくないことは理解デキる。しかし、そんなことはない。AVRマイコン、入出力ポートを備えた基板、C++風の言語とそれの統合開発環境から構成されるシステムを基部とし、各種センサーとサーボモータを同期し、スレイヴ・プログラムを手書きで打ち込むだけでも、それなりの作業をこなす”弟子ロボット”は構成できる。難易度と導入費用が気になるだろうか。ではこの記事のアップロードは、小学生の息子がサンクスギビングに200ドルで製作した、Arduinoベースの自作ロボットにお願いするとしよう。 [ エドリード・ジャパン編集部 / EDL-editorial dept.]