■ リアリティ増すSF映画にアドバイスする科学者 登録2700名超

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”SF”(Science Fiction)は死語になるだろう。情報通の観客たちはかつて一般的とされていたレベルをはるかに超える高尚な情報に熟知しており、フィクションだから、映画だから、で済ませたままに満足させることは、できなくなっている。脚本家(Script-Writer)たちは最早、エンターテイナーとしての自身の知識と技術だけでは、映画の世界を描けなくなっている。

 

そこでHOLLYWOODは、”科学・娯楽エクスチェンジ”(the Science and Entertainment Exchange)という登録科学者団体を結成して脚本家の要請に応じ、地球の滅ぼし方や、ゾンビから身を守る方法を伝授している。2700名の登録学者は”プロボノ”と呼ばれる、知識、スキルや経験を活かして貢献してくれるボランティアだ。今やプロボノの協力なくして、HOLLYWOOD大作は描けない。それでも、「バットマン」がビルから滑空すると着知時の致死限界スピードを29キロオーバーするので、次回作でも飛ぶなら、もっと大きなマントを買いに行くべき。とか「スパイダーマン」が蜘蛛の糸でビルの間を飛び回りながら悪を王場合、振り子の法則に従うと3秒で18mの移動なので、走って追いかけた方が早くて確実。などと言われてしまう。特撮作品の描写を科学的に考察した「空想科学読本」というベストセラーが、個人事業の失敗で困窮した生活を脱しようとした著者の発表だったことこそ、フィクションに近いミラクルなのは皮肉だが。

 

映画に残された安らぎはもう、アニメーション世界の”ファンタジー”に限定されるようになるのだろうか。日本人が大好きなディズニー映画「アナと雪の女王」の女王エルサが劇中で”氷の城”を築く際に大気中に放出する熱量270億㎉が見晴らす限りの一帯をサバンナの草木も枯らす高温にするコトには是非、気付かないでいてもらいたい。 [ エドリード・ジャパン編集部 / EDL-editorial dept.]