■ イギリスの日刊紙 紙媒体の発行をやめ、デジタル版に完全移行

http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye2702145.html

 

「この変化は読者によってもたらされたもので、読者は私たちに未来はデジタルだと示している」とは、本誌オーナーの談。コレが”編集部”からの言葉だったら素晴らしいのだが。かつて頭角を現した頃のGoogleは、「デジタル化できるコンテンツはすべて、デジタル化される事でその事業領域を広げる」とコメントした。写真、音楽、映像、出版と、事実そうなっているようにも見えた。しかし現在我々はすでに、必ずしもデジタル化が事業領域を広げることにはならないことも知っている。”デジタル化による事業吸収”がおよぼす、業界のシュリンクだ。

 

新聞の価値は他ならぬ”記事の高品質”にあり、もう一つの大きな価値であった”スピード”は、この15年で増殖した膨大なニュースチャネルに奪われた。デジタル化すれば現在の事業領域が広がる、という考えは甘い。出版界で、大きな事業発展に成功したタイトルもある。いやむしろ、進化ついでに転生したとさえ言える、みごとな飛躍だ。ファッション誌「VOGUE」。Facebookのオフィシャル開設から突如、誌面を彩るためのあらゆる場面を”映像化”し、大量の動画を配信しはじめた。その数は膨大で、各国メジャーのTVメディアやHOLLYWOODの大手映画製作会社などよりも、はるかに多い。VOGUEの映像コンテンツは進化を続けて企画は多岐にわたり、現在ではすでに「メディア化」を達成し、その影響力はファッション業界のみならず、エンターテインメント業界やハイブランド産業界が依存するまでに急成長した。VOGUEの着眼点は、みごとだ。”紙面に値しない場面”を「映像で価値化」し、デジタル化で事業を拡大している。舞台裏も表舞台化されてしまったモデルたちの心中は、さておき。  [ エドリード・ジャパン編集部 / EDL-editorial dept.]