■ 5年後になくなる旧テクノロジーを捨てるのは、今

http://jp.techcrunch.com/2016/01/04/201601035-things-that-will-disappear-in-5-years/

 

「15年後になくなる職業」や「10年前にはなかった技術」など、日々の生活に”ハッ!”とさせられる記事が増えている。珍しいことではない。バブルが小さな破裂音を立て始めた頃もまた、「真の豊かさは経済の外にあった」とか、「引き寄せの法則」「自己投資が最大の資産を生む」なんて風潮があったことを、覚えている方も多いだろう。長引いた不況はいつしか日常化し、”経済市況”や”展望”なる「不安あおり法」や「ワクワク誘致法」を無効にした。ソコに来ての経済回復の兆し、またテクノロジーの進化による加速度的(に見える)メディア地位の確変が再び、”耳目を集められる好機”と、とらえられている傾向があるためだ。しかしメディアの発展やテクノロジーの進化実態は、堅実なモノだ。革命期が訪れているわけではない。

 

そこで注目すべきは、”世相ののうねり”を見定め、”進化の真価”を見極める技術だ。個人のSNS発信レベルなら”今日の朝食♪”や”ワイドショー叩き”で投稿数を稼ぐで構わないが、「企業オフィシャルの情報発信」とあらば、方角違いの花火を打たないための注意が重要。そこで必要なプロセスこそが、「5年後になくなる情報を捨てる技術」だ。企業、サービス、商品に重要なのは勿論、高品質と安心安全であることは間違いないが、大小問わず多くの企業が、「ブランド」を軽視している。10年前ならば、良質に”付加価値”を加味することでブランドは維持できた。5年前ならば、”独自性”を貫けば、ブランドは拡大した。しかし現在では、かつてのブランド力の核だった”老舗”が、「コスパの悪さ」の指標になってしまっている。今のままならば5年後に、現状維持は望めない。企業内の断捨離が必須なのだ。

 

「5年後になくなる情報」とは、”5年後になくなりそうな情報”ではない。”現在の主力(最新)”こそが、最も風化しやすく、捨て去るべき第一候補だ。現実的ではなく、非合理的に聞こえるかもしれない。しかしどうだろう、モバイル機器、家電、高級服、車、店、街、5年前に夢中になっていたモノはことごとく、別の新型に魅了のポジションを奪われていないだろうか。パソコンを3度買い換えても、マウスやキーボードは変えない。モバイルを変えても、アプリは同じ。服を買い換えても、ハンガーはどうだろう。店を、街を変えた今、選ぶメニューは激変しただろうか。”最新”こそが疑うべき主役でアリ、”流行”こそ、信頼できないウワベの友人なのだ。5年後の今日、わたしが記事を書いていることなど、あり得ないだろう。 [ エドリード・ジャパン編集部 / EDL-editorial dept.]