■ Evernote サービスの拡充でも苦慮する現状に "5%問題" 露呈

http://gigazine.net/news/20160112-evernote-5-percent-problem/

 

Evernote Corporationが提供しているデータ保管サービスが無ければ、日々の業務にも支障をきたしかねない方も多いはず。かく言うわたし自身は、日々の生活にも甚大な悪影響を被るほどの依存状態にある。バックアップは徹底しているが、多機能な”Evernote”を超えるデータ管理方法を、この6年間、まだ見つけられずにいるのだ。そのEvernoteが、苦戦しているという。

 

「5%問題」。Evernoteは順調にユーザーを増やし続けているが、多機能故に、ユーザーそれぞれが異なる使い方をしており、一般的に5%の機能しか使っていない状態にあるという。問題はその5%が、多機能の全域に分散しており、どの機能も有用でアリまた、閉鎖することのできない状況になってしまっているという。そんなことを言わずEvernoteには是非とも頑張り続けてもらいたいワケだが、この”5%問題”、他人事ではない。

 

一般的に企業は主軸となる商品、またはサービスを核とし、顧客ニーズに合わせて発展させていくことが正しいとされてきた。しかし、加速する生活環境の技術的な進化と、メディア領域の急拡大による情報の拡散に翻弄され、より多くの商品ラインナップを、より革新的なサービスをと提供を急ぐあまり、自社範疇を越えてしまっているコトが、珍しくない。恐ろしいことに、メジャーな大手企業ほど、その傾向は顕著だ。大手のテレビCMや企業ブランディングに携わる中で、企業本体の骨子を見極めることが最初の作業になるわけだが、広報担当者どころか、ブランディング部、経営部ですら、それを即答できない場合が多いのだ。

 

顧客を裏切らないクロージングは、簡単に選ぶことはデキない。ならばせめて、”今”目の前にしている課題に対して、”増やす”という選択をするべきでは無い。企業のBRANDは、洗練されてこそ輝くものであり、洗練とは、限界までそぎ落とされたシンプルな姿だ。”今ナニをすべきか”ではなく、「いま、何をしないべきか」。そこに、本物のBRANDを輝かせる答えがある。

 

Evernote Corporationは、生き馬の目を抜くシリコンバレーにおいて、「100年続く企業にしたい!」と公言する希有な存在。彼らは、老舗企業が圧倒的に多い日本に感化されたことを隠さない。東日本大震災を受けていち早く、日本国内の全ユーザーを無償で”プレミアム版”にアップグレードしてくれた同社とは、第一線を退くその日にも、付き合っていきたい。 [ エドリード・ジャパン編集部 / EDL-editorial dept.]